北欧神話 

北欧神話のあらすじ はじまり~天地創造まで

北欧神話を解説した記事や本をよむと詳細な内容がなかったり、もっと深堀りした内容がほしいと思うことがよくある。
はじまりからラグナロクまでの物語、オーディンやトール、ロキをざっくり解説した記事はあるが、もっと深く知りたい。
それから「北欧神話といえば映画やゲームの元ネタでしょ?」ていどの人も多い。

そこで思った。
なら自分で調べて公開したらいいじゃない?
ということで、今回は北欧神話を詳細に解説していく。

原点を知ることで映画やゲームがより一層楽しめるし、小説のネタになる。エンタメをもっと楽しめるように北欧神話を知ってもらいたい。

世界の始まり ムスペルヘイムとニブルヘイム

ユミルの住んでいた太古には、砂もなければ、海もなく、冷たい波もなかった。
大地もなければ、天もなく、奈落の口があるばかりで、まだどこにも草は生えていなかった。

巫女の予言

はじまりは「ギンヌンガガプ」とよばれる大きな奈落の底があって、その南に炎の国「ムスペルヘイム」北に氷の国「ニブルヘイム」が存在していた。

北欧神話のおもしろところは天地創造される前からすでに国が存在しているところ。
神話といえば最初に神がいて、国を作って・・・という場合が多いんだけど、北欧神話は逆。誰がこの2つの国を作ったのか、どのようにしてギンヌンガガプが作られたのかは記述がなく、まだ神の存在もない。

ムスペルヘイム

ムスペルヘイムは炎の国で、この国に生まれたもの以外は近づくことすらできない。そこには黒い巨人スルトが警護をしている。予言によるとスルトはラグナロクに現れ、ムスペルの子を引きいて世界を焼き尽くすと言われている。

ムスペルヘイムは始めから存在していた国。記述上スルトは最初に名が挙がる巨人でユミルやオーディンよりも先に存在し、後に現れる霜の巨人とは違い炎をまとっていて、巨大な剣を持っている。

ニブルヘイム

ムスペルヘイムと相反して氷で覆われた世界で、スルトのような巨人はいない。後に作られるヘルヘイムと同一視されている。
真ん中にフヴェルゲルミルという泉があり、11の川が流れていて、それらを総称してエーリヴァーガルと名付けられている。

  1. スヴォル 
  2. グンスラー
  3. フィヨルム
  4. フィムブルスル 
  5. スリーズ
  6. フリーズ
  7. スュルグ
  8. ユルグ 
  9. ヴィーズ
  10. レイプト 
  11. ギョル 

やがてエーリヴァーガルから流れ出た川は毒を含み、氷となる。そしてその毒からモヤが立ちこめ霜となり、ギンヌンガガプの下に連なっていく。

巨人の誕生 始祖の巨人ユミル

ムスペルヘイムから北風が流れて、火花がニブルヘイムの霜を溶かした。そのしずくに生命が宿り、人の姿へと変化していって始祖の巨人ユミルが生まれた。つまりユミルは溶けた霜のしずくから生まれたことになる。

つづいて、霜のしずくから謎の雌牛アウズンブラが生まれた。この雌牛から4つの乳の川が流れていてユミルはそれを飲んで栄養を得ていた。
この雌牛も生まれたんだけど正体がわからない。わかっているのはユミルの乳母のような存在で、自分から流れる4つの川の乳をユミルに与えて養っていたということ。

霜の巨人(ヨトゥン)

眠りについていたユミルはそのあいだに汗をかき、左腕の下から男女の巨人を生んだ。さらに足が交差したときには、6つの頭を持つ息子スルーズゲルミルが生まれた。
ユミルの一族は霜の巨人(ヨトゥン)と呼ばれていて、毒を含んだ川から生まれたため性格は凶暴とされている。

巨人と呼ばれるからには進撃の巨人のような巨体を想像すると思うんだけど、必ずしもそうではないんだ。
ロキやフェンリルといった人間や獣のような姿をしているものもいて、巨人の定義が曖昧になっている。

神の誕生 主神オーディン

アウズンブラは霜で覆われた石をなめることで栄養を得ていた。するとその日の夕方に石から人間の髪の毛が出てきた。
翌日には人間の頭が、3日目にはうつくしい姿をした人間が現れた。この人物が北欧神話における原初の神ブーリ。

巨人族からボルソルンとその娘ベストラが生まれた。そして神のボルが巨人のベストラを妻にめとって3人の息子を得た。

息子の名はオーディン・ヴィリ・ヴェー。このオーディンこそが北欧神話における主神であり、天と地の支配者になる。

ブーリについての情報は少なく妻の存在や、息子を授かった経緯についての記載がないんだ。
もしかしたらユミルと同じように、単独でボルを生み出したのかもしれない。

天地創造 ユミルの死

ユミルの肉から大地は作られ、血から海が、骨から岩が、髪から木が、頭蓋骨から天が作られた。
そして、優しい神は、ユミルのまつげから、人の子のためにミズガルズを作った。また、ユミルの脳からむら雲が作られた。

グリームニルの歌

ユミル解体

こうして神と巨人が生まれたが世界はまだ炎と氷、それからおおきく空いた奈落の底しかなかった。
そこでボルの息子たちは凶暴なユミルを殺害し世界を作り上げた。

3人の神は巨人のからだを担いでギンヌンガガプの大穴を埋め、骨から岩を、歯とあごから小石をつくり上げた。
髪から木を肉から大地をつくり、それを囲むように大量の血液から海を仕立てた。
まつ毛からミズガルズ(中つ国)を建てたあと、頭蓋骨を天へと持ち上げ天空をつくり上げた。

  • 肉 → 大地
  • 血液 → 海
  • 骨 → 岩
  • 歯とあご → 小石
  • 髪 → 木
  • まつ毛 → ミズガルズ
  • 頭蓋骨 → 天空
  • 脳 → 雲

まとめ

この記事では世界の始まりから天地創造までを書いた。
ニブルヘイムとムスペルヘイムが交差しユミルが誕生した。
神々は世界を作るためにユミルを殺害し、体の一部を使い世界をつくり上げた。

画像引用
https://mythologyinquirer.com/unveiling-niflheim-the-norse-mythology-realm/
https://jp.pinterest.com/pin/131237776634693565/
https://dcgonk.medium.com/creation-in-norse-mythology-be60ff609bc4
https://jp.pinterest.com/pin/1132444268799154918/
https://skjalden.com/creation-of-the-world-in-norse-mythology/
https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.folk-metal.nl%2F2021%2F06%2Fburden-of-ymir-from-elivagar-2021%2F&psig=AOvVaw3evx5ZVv5KvpzXWwade1b9&ust=1732268530215000&source=images&cd=vfe&opi=89978449&ved=0CBcQjhxqFwoTCLC036iR7YkDFQAAAAAdAAAAABAE
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